ポッキーの日にポッキーゲームをするはまはばの甘々風景です。
「へー! 今日って大正111年11月11日なんだって!」
「へぇ。そうなんだ。」
「そのネタで狭間連がSS書いてる! 見るっ?」
「見ないっ。僕、怖いの嫌だって言ってるでしょ。」
「でもビビってる羽々寧さん、可愛いからさぁ……♡俺が主導権握れるみたいで、嬉しくなるんだよね♡」
「あ……ッ♡んぅ♡」
すぐ近くにある唇にキスをして、くちゅくちゅ、速攻で舌を絡める。音が鳴って、ちゅぷちゅぷ、と音がする。まだ読みかけの短いホラー小説は後回しにされて、快感が俺を支配する。いつでもこのひとがいちばんになっちゃう、俺のバカでアホな性欲と愛情は、今日もばっちり健在みたいだ。
「ん♡んぅ……ッ♡……もぉっ♡キスするなら、これ、してよねっ。」
「っ。……ポッキー?」
「そう。オタク、って言うなら○○の日は基本でしょ。こんなに分かりやすい日なのに。浜松、本当にオタク? ん。」
そう言って、すぐに取り出したポッキーを咥える羽々寧さん。1111、は狭間連が貴重な書き下ろしSSをタダでSNSに載せてくれる日じゃなくて、羽々寧さんからポッキーゲームを提案してくれる奇跡もびっくりのチートデイみたいだ。ポッキーのチョコレートのほうを咥えて、物欲しそうにじっと俺を見る羽々寧さんにキュンキュンしながら、俺もはむっとプリッツ側のほうを咥える。
「ん♡」
「ん~……♡」
見つめ合ったまま、カリカリ、ちょっとずつお互いにポッキーを食べ進める。唇はすぐチョコレートの部分に触れて、甘い味が俺の舌をくすぐっていく。でも目の前にはチョコよりもっともっと甘いご褒美が待っていて、それを見ていると、お行儀よく待つことができない。さっきキスしたばっかりなのに。やっぱ俺、どうしようもないバカちんぽっぽい。
でもそんなものも今更だって、俺は大口を開けてガリッとポッキーの大部分を噛み砕くと、そのまま羽々寧さんへキスをした。どうせ今日はチートデイ。そんなら、これくらいのチートとズルも、ちょっとくらい大目に見てよ、って。
「あ……っ、ン!♡」
ガブッと噛みつくみたいなキスに驚いたのか、羽々寧さんはちいさく声をあげる。でもそんな声もかわいくて、そんな仕草もかわいくて、俺はポッキーを羽々寧さんの唇ごと食べるのをやめられない。ぷちゅぷちゅ唇を押し付けて、ちろちろ唇の表面を舐め回して。そうすればゆっくり羽々寧さんの身体から力が抜けて、俺の舌を受け入れる体勢になる。あとはもう好きなまま。さっきより深く舌を絡め合って、今度は身体も押し付け合って、チョコレート味の、あまいあまい甘々なべろちゅーに溺れていく。
「んぅ♡ふぅ♡ふぅ、うッ♡」
「ん♡んふ♡ふぅ……ッ♡♡♡」
チョコとプリッツと唾液が混ざり合う、だらしなくてちょっと汚いキス。だけどそれは今日だからできたキスで、羽々寧さんとできたはじめてのポッキーキスだ。そして汚いものはどうにもやめられない中毒性がある。背徳は罪悪と親友で、そのエモでエゴな恍惚は、オタクの大好物なんだよね。
「んはっ♡ふぁ♡ふぁぁ……ッ♡」
「ん♡はばねさん♡はばね、さん♡」
口の中で混ざり合うポッキーの残骸を味わう。羽々寧さんが絶妙に混じった、美味しすぎるその甘さを味わう。ちゅ、ちゅ、と啄んで。舐め取って吸い取って。でも、当然、それだけじゃ足りないから。
「ぁ♡あッ♡ふぁッ!♡」
「はばねさん♡えっち♡このまましよ♡ね♡」
だから俺はくいくい腰を押し付けて、もっと、もっとってその先をねだる。そもそも羽々寧さんが目の前に居るのに、なにもしないで俺のバカちんぽがおとなしく黙ってられるわけもない。だから♡ね♡はばねさん♡ポッキーの日だから♡いっぱい♡どすけべえっち♡しよ♡
「っ♡もぉ♡はままつ……っ♡」
「おッ!♡」
「本当、すぐ、えっちしたがるんだから……ッ♡」
「うぁ♡だって♡だってぇ♡」
だって、羽々寧さんが好きなんだもん。羽々寧さんが可愛くって仕方ないんだもん。羽々寧さんが居るのに、がまんなんか、できないんだもん。羽々寧さんとえっちできないと、俺、ダメになっちゃうんだもん。
「はばねさん♡えっち♡えっちぃ♡」
完全に知能指数ゼロのおねだり。でも、そのまま羽々寧さんをほしいほしいよって引き寄せれば、やっぱり羽々寧さんはあきれたような顔をする。でも、それは俺を甘やかしてくれるときの顔で、ポッキーを4本並べても敵わないくらいに、あまいあまい、俺の、大好きな顔だった。
「しょうがないな♡じゃあ♡シよっか♡」
「っ♡」
「ね♡どすけべで♡ぐずぐずの♡すっごいやらしいえっち♡シよっか♡」
「お♡おッ♡♡♡」
耳元で、最高にやらしい言い方で、ねっとりした声で、羽々寧さんからそんなことを囁かれれば、俺はもう、ダメになってしまう。頭の中はどぴんくのねちょねちょのことしか、もう、考えられなくなってしまう。
「はばねさん♡はばねさんッ♡はばねさんッ♡する♡するぅッ♡どすけべえっち、するぅッ♡♡♡」
「あ♡ひゃッ!♡♡♡」
だから俺は興奮を丸出しにして、羽々寧を押し倒す。
「はばねさん♡すきっ♡だいすき、だよぉッ♡」
──そう。
あと12時間と49分で終わる今日を、もっと忘れられない甘くてスケベな記念日にするために。そしてもっともっと。大好きなだいすきな羽々寧さんを、俺にとっての、特別なひとりにするために!
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